生きた英語で覚える

「JapanTimesで覚える英語」から改名しました。ドラマや雑誌・ゲームなどで見つけたマイナーな英語表現や単語を紹介します

"article"の意外な意味

articleといえば、「記事」とか「(契約の)条項」といった意味が有名ですが、実はそれ以外にもいくつか意味があります。

今回、その中でも重要な意味を1つご紹介します。

 

articleが持つ意外な意味

まずは例文から。

She only took a few aritcles of clothing with her.

「彼女は服を数着しか持っていかなかった。」

ロングマン現代英英辞典

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旅先で着替えが足りないことに気づいた女性

ここでarticleは「一着」という意味で使われています。

そこにa fewという数量を表す表現を付加することによって「数着」と複数形になっているんですね。

このように、articleは不可算名詞を可算名詞に変える役割を持っています。

これを英和辞典では「一個、一品」、英英辞典では「a thing, especially one of a group of things」と説明しています。

 

その他の例

clotingの他にはapparel(衣類), furniture(家具), food(食品), diet(食物), trade(商品)などもarticleと相性が良いです。

Shellfish is an article of food.

英和大辞典

 

TOEICで出るとしたら

PART1で衣類を見ている人の説明で過去に出題されたことがあります。

articleが聞こえたからと言って、新聞や法律のことだと早とちりしないように気をつけましょう〜

 

ではまた次の記事で。

フリーアドレスは和製英語

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三密を避けるために私の務める会社でもフリーアドレス制度が最近導入されました。

さてこのフリーアドレス制度、実は和製英語って知ってました?英語では"hoteling"とか"hot desking"と言います。デスク等の利用前に予約が必要なのがhot desking、利用したいときに自由に利用できるのが"hot desking"と使い分けられています。日本でのフリーアドレスに近いのは後者の"hot desking"の方ですね。

 

実際の英文では以下のように使われています。

Those offices, which will be basically operate with a hot-desking system, will also be renovated and designed with workers’ health in mind.

Post-pandemic, Japan firms see office as space to foster innovation | The Japan Times 

 

富士通のポストコロナ時代のオフィスの活用法について取材した記事なんですが、内容も面白いです。

 

今回はここまで。

もう少しブログを書く時間を捻出したい・・・

kioskが表すものは売店だけじゃない

日本語にもなっているキオスク。日本では駅内にある小型売店のことを指しますが海外ではより広い概念を表します。

 

駅内に限らず路上の小型売店のこともキオスクと呼びますし、他にも以下の記事のように空港内のチェックイン機のこともcheck-in kioskと呼びます。最初そのことを知らずタイトルを斜め読みしたら、売店がタッチレス??どういうこと??ってなりました笑

実際には、コロナ対策として触れずに操作できるチェックイン機が羽田空港に実験的に配備されたというニュースです。

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売店の方のキオスクは語源的には、イランやインドの建築様式(ペルシャ語でクシュク)が13世紀頃オスマン帝国に伝わった際、トルコ語でキョシュクになり、さらに18世紀ごろヨーロッパにオスマン文化が伝わった際にキオスクになったそうです。*1

元々の意味は「日陰をつくるもの」で日本でいうとあずまやのような建築物を指していたとか。

つまりこういうのとか

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写真:Rodolfo corona ramírez/CC BY-SA 4.0

こういうのとか

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写真:ean-Pol GRANDMONT/CC 表示 2.0

建物外周が開放的になっているものをもともとキオスクと呼んでいたようです。

ヨーロッパの国々で現在よく見かける売店型キオスクと形がなんとなく似ていますね。

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ギリシアの都市によくみられる型のキオスク

いわゆるコンピュータ型のキオスクはInteractive kioskと言います。*2

冒頭で書いたcheck-in kioskもそのうちの一つです。

現在ではkioskというとむしろこちらの方が一般的かもしれません。以下は画像検索の結果ですが売店の画像はほとんどでてきませんでした。

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もはや元々の意味のキオスクとはかけ離れてしまっていますが、「外周が開放的な建築物」→「1面が開放されたスタイルの売店」→「1対1のインターフェイスを持つ電子機器端末」と連想ゲームみたいで面白いですね。

 

今日の学習はここまで

今の電子機器端末を表す意味から、いつかまた新しい意味が生まれてくるのでしょうか。言葉の変遷は面白いですね。

churn outってどういう意味?

今回の英語表現は中国の勢いを感じさせるこちらの記事から

 

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ここ最近、中国が鉄工業において影響力を強め始めているそうです。その背景としてコロナ禍からの素早い脱却と、高品質な製品を作れるようになってきたことが挙げられています。実際に先月トヨタが中国から電気自動車に使う鋼材を採用したことでもニュースになりました。

トヨタ、中国から特殊鋼板 EVモーター用 品質、日本勢に迫る :日本経済新聞

 

そんな中国の強みを表している文が以下になります。

China churned out record volumes of steel last month, extending a robust performance as the strength of the economic recovery boosts demand. While Chinese rivals continue to expand, Nippon Steel and its domestic peers are scaling back operations as the pandemic hits demand. 

経済の回復に伴う需要により、記録的な量の鉄をchurned outしたと書かれています。

churnはミルク缶とか撹乳器という意味で以下の画像の物を表します。

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これが句動詞になると"大量生産する"という意味になります。語源は調べきれませんでしたが、牛乳を機械的に大量に絞り出すイメージから来たのでしょうか・・・

句動詞は語源が辿りづらくて困ります。。

 

今回の学習はここまで

いち早くワクチンを開発できた国が、今後の経済でも有利になるのでしょうか。

だとしたら国内でも早くワクチン接種が出来るようになってほしいものですね。

wash up, run aground 海辺に関連する表現

今日は少し悲しいニュースから海辺に関連する表現を紹介します。

 

"モーリシャスで18頭のカズハゴンドウクジラが浜辺に打ち上げられる"

www.japantimes.co.jp

 

先日のオイル流出事故と関連があるかは、今後の解剖結果を待たないと断定はできないとのことですが時期が時期だけに偶然とは思いづらいですね・・・

これ以上影響が広がらなければいいのですが・・・

 

さてこの記事には海辺に関連する表現がいくつか出てきました。

まずはこちら。

Eighteen melon-headed whales washed up on the shores of Mauritius on Wednesday, the country’s fisheries minister said, dismissing any link to a devastating oil spill earlier this month.

wash upは波に洗い流されるイメージから「海辺に打ち上げられる」という意味で使われる句動詞です。クジラは打ち上げられると自力では戻れないので、18頭すべて亡くなったようですね・・・

ただ、センシティブな話題なのでモーリシャス水産庁は現時点での流出事故との関連づけることは避けています。どうも魚の群れをおいかける過程でサンゴ礁に迷い込んでしまうと、クジラはパニックに陥ってサンゴに体当たりして衰弱してしまうのだとか。2005年にも同様に70頭ものクジラが打ち上げられる事件が発生したそうです。

 

続いての表現はこちら。

Initial reports suggest no major damage to the ocean floor or coral reef, however the remaining wreck is still grinding against the reef where it ran aground. 

 run/go agroundで座礁するという意味です。agroundはrunかgoのコロケーションでのみ使われるのでセットで覚えておきましょう。(船が)陸の上を走るので座礁

ちなみに引用文中のgrindingは困難な状況において、改善の見込みがないことを表す形容詞です。小麦が挽き臼ですり潰され続ける状況を思い浮かべるとなんとなくイメージつくでしょうか?笑

 

さて今回の学習はここまで

モーリシャスの流出事故は日本人として心が痛みますね・・・

微力ながらEco Sud Muaritiusという団体のクラウドファンディングに寄付しました。

サンゴ礁マングローブが元に戻ることを祈っています。

spruce upってどういう意味?

所沢の”光るマンホール”を紹介している記事で、spruce upという表現が出てきたので意味を調べてみました。

 

問題の文はこちら

Cities have been sprucing them up for at least four decades, with the goal of improving the image of the sewerage system.

 

引用元 A hole new world: Tokorozawa lights up sewer covers

下水のイメージを向上させるために、40年もの間なにかに取り組んできたようです。ほぼ半世紀、一体何に取り組んできたのでしょうか。

 

ロングマン英英辞典で検索すると

spruce up phrasal verbinformal to make yourself or something look neater and tidier

引用元 ロングマン現代英英辞典でのspruce upの意味

話者または何かをneatでtidyに見えるようにする、つまり小綺麗にすることとあります。

汚いイメージが付きがちな下水を、清潔できれいにするために長いこと取り組んできたんですね。

ちなみにspruceは形容詞もあり、意味はそのまま清潔を意味します。名詞だとトウヒ(針葉樹の一種)と、まったく別の意味になるのでご注意ください。

 

今回の学習はここまで

この夜間に光るアニメ柄マンホールもイメージ向上の一環で、KADOKAWAが出資しているそうです。街にとっては広告費や旅行者で財政も潤うし、一石二鳥ですね。

a slew ofのslewはslayの過去形じゃない

この記事を読んでいたらa slew ofという表現があったので意味や語源を調べてみました。

www.japantimes.co.jp

The release of the upgraded Switch would be coupled with, or followed by, a slew of games from Nintendo itself and related outside studios, the people said. 

意味は調べればすぐ出てくるのですが、a lot ofやa large number ofのように「たくさんの」という意味です。

ここで気になるのがなぜslewが多量を表すのか?ということ。

lotやlarge numberはそれぞれロット単位とか、大きな数字とか、単語の意味から「たくさんの」という意味になるのは納得できますが、slew = slayの過去形(殺した)から「たくさんの」というイメージを膨らませるのは少し無理があります。

 

実はこのslewは元々は外来語で、このブログによると、

19世紀の古アイルランド語のslua (または sluagh)が語源とのこと。Wikipediaによると意味は群れ(horde)とか群衆(crowd)だそうです。「たくさん」のイメージにぴったり合いますね。

参照したブログにはOEDで調べたと書いてあるので、いつか私も1次ソースにあたってみようと思います。

 

今回の学習はここまで。

OED(Oxford English Dictionary)欲しいけどかさばると思うとなかなか手が出せません・・・

ではまた、他の記事もよろしくお願い致します。